なんで山登りをするんかということを、
宗教・科学・進化論・宗教論など様々な分野から考察しとります。
なにしろソシュール(言語哲学者・記号論で知りました)まで出てきますから。
そのわりに口語体で読みやすく、
ほー、へー、はぁー、むー、とオモシロイ。
そこに山があるから登る、という不明瞭さはバイク乗りにも言えるんじゃなかと感じているが、
ワカラナンひとに説明しづらいもどかしさがちょっとだけ伝えやすくなる、かもしれん。
その点『禅とオートバイ修理技術』より押し付けがましくないのは、
一歩引いた表現が多いからではなかろうか。
エッセイであって、論文じゃないし。
日本独自の「山」への関わりが記載されていないのが残念。
あと、「欲求」と「欲望」は異なるというわりに、
次章で混同しているんじゃないのと、ん〜と唸ることも。
しかし、ここから他の本(参考文献)へ繋がる入り口になった。
マイノリティがヘンなヒトとのけ者にされない為には、
理屈が必要かねぇ。