2013-03-26

昭和の残像







































お仕事でお世話になった方から、自宅を建て直すので処分したいものがあるが引き取ってくれないかと連絡が。
某デザイン書の編集長をされていた方で、当時の貴重な資料を分けてくださるとのこと。
それと、活版時代の文字2ケース。
これが10kgくらいあってかなり重いため、車で引き取りに行きました。
ご自宅は東京の某所。
ぽつんと一軒だけ昭和な木造建築がありました。築75年。
劇団ひとりの「陰日向に咲く」という本の装丁で使われた味のある建物ですが、東北の地震で傾いてしまったとのこと。
いやぁもったいない、とは外野の無責任な感想ですね・・・。

活版用文字も凹みのある仕上がりは手作り感のある印刷でしたが、写植〜DTPになってほとんど需要がなくなりました。
いまでもわざわざ活版で名刺を刷る人もいます。
一文字づつ手作業で文字組をするため、今とは比べ物にならないほど時間がかかったでしょう。
手元に置いていても使えるわけではありませんが、古いものが無くなるのが寂しいのと職人の技を感じるために持ち帰りました。

効率化は企業にも消費者にもメリットがあると言いますが、ホントでしょうか。
デフレ対策は一見無駄にみえることを増やせば・・・、なんて想像したり。
豊かさを求めつづけて生活をするのは難しいなぁ。