国有林の管理・運営を仕事としていた父の鉈・鋸の二刃差しを譲ってもらった。
役所で支給されたものとは別に、
父が昭和40年に岐阜の付知町の職人にオーダーしたもので、
退職して使わなくなったもの。
鉈の刃渡りは19cmで片歯。
倉庫に眠っていたため錆だらけだったんで修理に出したところ「これはいいモノだ」と感心されたそうだ。
鍛冶屋が少なくなったいまでは貴重な一品。
鋸の歯は左右1歯おきに向きが違うため歯研ぎがめんどうで、
メンテナンスにも職人技があった。
使い捨ての現代では成り立たないため、
付知の鍛冶屋も廃業したそうだ。
職人の衰退は『
失われた手仕事の思想』に詳しい。
ほとんど使うシチュエーションは無いけど、
渓流釣りで川から上がるときの薮払いやキャンプでの薪作りで便利そうだし、
大型獣への安心材料として。
なによりも、こうした職人の手仕事を長く使い続けることに喜びを感じる。
ここんとこエコだ環境だとうるさいが、
大量生産大量消費でやっていけるんだろうかと鉈の重さに考えさせられた。
追記
おおざっぱに片刃は枝払い用、両刃は薪割り用。
和式刃物のため、保管には油紙で包むそうです。
師匠、情報ありがとうございます。