2011-07-07
独身最後の
ケジメとか一区切りとかいうわけではないが、チョンガー最後の釣行はバイクで。
朝4時半。タクシーもまばらな都内を抜けて、高井戸インターに乗る。
行き先は決めず、山梨方面へ。
直前まで降っていた雨もやみ、通り過ぎた雨雲を眺めながら制限速度プラスαでのんびり走る。
藤野PAでサンドウィッチと缶コーヒーの朝食をすませ、トイレに入ると「暖房便座が盗まれました」の張り紙が。いろんな人がおる。
丹波山に向かうならこの辺りで決めなあかんが、上野原ICを通り過ぎ須玉ICを目指す。
ここなら白州か大門、どちらも選べる。
勝沼を過ぎたら、雨。
すぐに川に入れるように上下速乾性の勝負服なので、濡れるにまかせてひたすら走る。
バイクは修行。
須玉ICを降りる頃には晴れてきた。よし。大門川に行こう。
濡れ鼠のまま標高1,000mを越えると、7月でも寒い。
まだ8時前。
入渓点に行くと、やたっ。先行者無し。
ささっと竿を用意して、雨で濁った川へ。
ラインを延ばし、ロングリーダーロングティペットを絡ませながらフライを流す。
無反応。
流す。
無反応。
とうとう滝まで来てしまった。
足跡は無かったので先行者はいないはず。
と、いきなり遊歩道から現れた初老の餌釣師。
「まったくアタリが無い、昨日はいいサイズが出たのに」と言葉のわりに穏やかな口調。
こちらにセカンドハウスをお持ちとか。
いつでも来れる人とは心の余裕が違うので師匠にメールで状況を伝えると、暖かくなる10時からたるみを狙えと。
入渓点よりさらに下り、草むらで朝のお勤めをして再挑戦。
10時ジャスト。
岩肌の苔から湯気が上がり出した。
落ち込み脇を狙うと、一投目にすーっと影が寄ってきてためらいなくフライをくわえこんだ。
軽く合わせると腹の黄色い小さな岩魚。
さすがです、師匠。アドバイス通り。
サイズはともかく、魚の活性が上がったようで期待が高まる。
それからは狙ったポイントで、面白いように釣れ出した。
朝一で入ったポイントでも釣果が上がる。
「居れば釣れるんだよ、ふふふ」と、急に自信を取り戻し、川辺でビールとお手製弁当の昼食を取りながら、緑を眺めつつボーッとする至福。
午後はさらに上流へ。
くるぶしくらいの水深で川幅が1mくらいでも20cmオーバーが上る。
川の音しか聞こえない昼でも薄暗い空間で、岩魚の生命力・神秘性を感じる瞬間。
23と24cmの2匹だけキープして、脱渓。
もうイブニングはいいや。
非力だけど必要充分なTWに戻り、眠気をガマンして暗い中央道をビィーンと南下。
釣りもバイクも一人。楽しんでこれたけどね、今までは。
お土産買って、灯りのついた家に帰宅。乾杯。